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ています。フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ及びノルウェーは、NELS(Northwest European Loran−C System:北西ヨーロッパロランCシステム)を組織し、1997年中には完全運用とする予定で、測位誤差が100mと1/4海里の有効範囲図を公表しています。さらに、ASF(Additonal Secondary Factor:付加二次位相係数)による測位精度の向上を図ることとしており、有効範囲内のほとんどの海域で測位誤差が100m以内となるように計画されています。
また、ヨーロッパ諸国はディファレンシャルGPS(DGPS)の整備も進めており、これに伴い、1999年末までにデッカを廃止すると公表しています。
(その動向)
IMOでは、SOLAS第5章の改正作業を進めていますが、航行援助に関する規定では、「船舶に搭載した受信機の性能に悪影響を及ぼす測位システムの送信の変更は、できるだけ避けるものとし、影響を及ぼす場合には、事前に適切な周知を行った後に変更を実施すること」という規定を新たに設けようとしています。
(まとめ)
このように、GPSをはじめとする衛星航法システムの普及に伴い、オメガに限らず電波航法システム全体が大きく変貌する時期に突入したと言えます。
IMOやIALAはもちろん、利用者団体や関係政府が開催する国際的会議の場においても電波航法システムの将来に関して議論されており、電波航法システムの将来は世界の関心の的となっており、今後もこのような国際的動向に留意しなければならないと考えています。

 

 

 

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